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梅雨の花が咲いていた。わたしはもやもやとしている、空気の中を家路へと歩いていた。学校帰りの子ども達の声が、遠くから聞こえてくる、田舎の田んぼに囲まれた小さな町。

四方を山々に囲まれた田舎町だ。バスは一日に４本、それも乗る乗客は少ない、なので空のバスがのんびり走る処だ。水路には、草に白い泡が花のようにまとわりつき下がっていた。

程なくホタルが見える季節になるのだろう、この泡がちらほら目にすると、ついー、ついーと舞い飛び、網戸に泊まるとぽうぽうと小さな光りが瞬く。

キャッキャッと、甲高く楽しげなランドセル達が近づく、何か楽しい話をしているらしい、それとなく耳に入る距離、一人の子どもが、ねー知ってる？旅する猫なんだけどー、



はい？何だ？都市伝説か？マヨ猫？迷い猫ではなく、マヨネーズ猫だと？そんなのがいるのか……すれ違う話し声、いるんだって、兄ちゃん見たってーと、気になる言葉が離れていく………。

好きだな、そんなの、今も私が子供のときも変わらないか、私が彼らの年ぐらいのときには……いや、今でもこの地にいるという。見つけてたら一億だったはず。



美しい新緑が、鮮やかに盛り上がっている山々に目を向ける。そこに住んでいるという彼等達。いるのか……いないのか
、摩訶不思議な存在、それは………、存在している方が面白いと私はおもっている。


ザッと風が吹く。雲が流れ集まり、厚みを増している、

雨が近いのかもしれない。



お、わ、り。